ムスタングお前、13年も一緒なのか。

ムスタングを買った時のことはよく覚えてるんですよね。

 

17歳でしたね。塾にまで行って受かった高校を辞め、コンビニでバイトをしてた時にファンキーなフレンズにバンドに誘われたんです。その時からギターがうまかった友人にギターで誘われたからワクワクしましたね。

 

とりあえず自分の楽器を用意するために、最初はエピフォンのレスポール100という黒いギターを買いました。その時のバイト代で買えて、なおかつ明らかに初心者向けのメーカーっぽくないギターがそれだったので。このレスポールも値段のわりになかなか良いギターだったんですけど、この頃すでにムスタングというギターに憧れていました。

 

当時ね、『涼宮ハルヒの憂鬱』というアニメが流行ってまして、学祭でバンドがライブする回がものすごく話題になってたんですよ。ネットにはその回を特集したページなんかもあって、それが好きでよく見てたんですよ。そしたら「ハルヒの声優もギターを持ってる」って書いてあって、そのギターがムスタングだったわけです。Charでも、カート・コバーンでも、中野梓でもなくまさかの平野綾からの影響。激奏くらいでしか弾いてるところ見たことない。

 

まぁしばらくレスポールを使ってたんですけど、そのままムスタングってカッコいいなぁって思ってたんですよ。そして年が明け、初売りで友達と楽器屋行ったときにあったんです、フェンダージャパンの黄色いムスタングが。

 

その時の全財産で買える額で、テンションあがってた僕にファンキーなフレンズが「試奏だけでもさせてもらったら」的なこと言ったんですよ。それで店員さんにお願いして、もうその時に試奏したのがACIDMANの『造花が笑う』だったことまで覚えてます。たしかまだ『赤橙』は弾けなかったはず。もしかしたらパワーコードだけでELLEGARDENも弾いてたかもしれん。とりあえずまだまだ初心者な演奏だったし、音の良し悪しなんて分かんなかったんだけど、カッコいいムスタングから出てる音ってだけでカッコ良かったんですよね。

 

今考えてみればいいアンプで鳴らさせて貰ってたからかもしれないけど、とにかく心奪われまくって。でも僕は昔も今も貧乏性なもんで、その場ですぐには買えなかったんですよね。もうレスポール買ってたし。紫のVOXのパスファインダーも合わせて3万円位ですよ。それでさえ初めて出した額です。近々でそれ以上の額出すの怖かったんですよね。

 

でも、やっぱりカッコ良かったわけで。

 

その日は一日中ムスタングのことが頭から離れなかったんですよ。ぶっちゃけ言えばコンペティションラインが入ってるムスタングが一番憧れましたけど、入ってなくてもカッコ良かったし弾いてワクワクしたのがもう離れませんでしたね。もう翌日です。午前中だったと思います。1人で電車乗って、あの楽器屋までいって、試奏させてくれた店員さんに「あっ」て顔をされて、「あのギター、下さい」って言ったんだよね。これはこれで、青春映画だったよね。俺の。

 

レスポールから半年経ったか経ってないか、むしろギター初めてから一年も経ってないくらいで2本目のギターを買ってしまったわけです。フェンダーのロゴが入ったギターバッグに入れてもらって、背負った時にレスポールの重さと全然違かったんですよ。軽いの。レスポール100がなんだかんだで重かったってのはあるんだけど、てかレスポール100はあの値段であの重量感ってのがむしろ良かったんだけど、それでもこの軽さがなんか「いいギターを手に入れた」感あって嬉しかったですね。これが恋人の重さか、なんて童貞心に思いました。全然違う。

 

それからムスタングとの蜜月が始まる、と思いきやそうでもなかったんですよね。当時好きだったんだELLEGARDENを始めとしたエモパン系のような音はまぁー出ないし、「お、今日はすごい調子がいいな」って思うくらい弾き心地がいい日もあれば、「なんだこれ弾き辛すぎるくそギターかよ」って買ったこと後悔しそうになる日もあったんです。ムスタングの名の通り、じゃじゃ馬だったんですよね。ショートスケールで女性も弾きやすいギターとか言われたりしますが、その実は付き合っていくにはなかなかに骨が折れるギターだったってことは身に染みました。少なくともギター初めて一年も経ってない僕には使いこなせない。今でも使いこなせるかどうかは分からない。「これが恋人と付き合うってことか…」とか童貞心に思いましたね。…まぁまぁ合ってたんじゃね?

 

しかしながら、このムスタングと共に初めてのライブハウスで演奏し、その後に組んだバンドで遠征に行ったりしたわけです。ステッカーもいっぱい貼ってみたり、恥ずかしくなって剥がしてみたり。ちなみに前面にはNIRVANAのだけ残してあり、確かにNIRVANA好きなんですが真の用途としては平野綾からの影響というものをカモフラージュするために貼ってたりします。今となってはむしろ平野綾要素前面に出してみたいけどね。ハルヒ貼ったら出てくるかな。いっそ「団長」って書くか。

 

 

 

というわけで、こう思い返してみれば13年の付き合いになるわけですか。

 

その間に放り投げたり叩きつけたりした時もありましたが、なんとかスクラップにならずにいてくれています。最近まで押し入れの中で眠ってたわけなんですが、ジャガーが壊れた(と思ったら全然壊れてなかった)拍子に引っ張り出してみました。

 

無邪気だった季節と一緒に。

 

そんなギターを、ちょっと復活させてあげようかと思います。メンテナンス編、もしかしたらリペア編も、こうご期待。

 

  

 

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